医療法人やMS法人の役員やスタッフの方が、自身の給与から退職金を積み立てることができるとてもお得な退職金制度、「はぐくみ基金」をご存じでしょうか?
はぐくみ基金は、退職金共済とは異なり、法人の役員も加入することができ、イデコのように原則60歳まで受け取ることができないということもなく、いいことづくしの制度です。
当ブログでは、はぐくみ基金についてご紹介します。
1.加入要件
はぐくみ基金は、70歳未満の厚生年金の被保険者である医療法人、MS法人の役員やスタッフが加入することができます。
厚生年金の被保険者とはなれない個人事業主の院長先生は加入することができません。
また、2期連続債務超過の法人、役員のみの法人、設立1年未満の法人などの役員やスタッフもも加入できません。
2.メリット
(1)法人側のメリット
- スタッフなどの加入者が掛金を負担するため、法人側で掛金の負担なく退職金制度を構築することができる
- 退職金掛金分の給与月額が下がるため、社会保険料負担額を下げることができる
(2)加入者側のメリット
- 退職金掛金分の給与月額が下がるため、社会保険料及び所得税負担額を下げることができる
- 加入期間が1か月以上あれば、掛金の元本が保証される
- 資産運用は大手生命保険会社などが行うため、イデコなどのように加入者自身が運用する必要はない
- 退職時だけでなく、休職時、育児介護の休業時に受給することができる
- 月1,000円~最大給与の20%まで、掛金の変更が制限なくできる
- 受給時に税金の優遇制度があり、税金を抑えることができる
3.デメリット
(1)法人側のデメリット
- 掛金の積立不足が生じた場合、法人が不足分を補填しなければいけない可能性がある
- 導入・運用コストが発生する
(2)加入者側のデメリット
- 給与月額が下がることにより、将来もらえる厚生年金、失業給付が減る可能性がある
はぐくみ基金に加入するためには、㈱ベタープレイスという加入事務委託業者に問い合わせして、説明会または面談に参加することから始まります。
法人側の費用負担を抑えて退職金制度を整備したい場合は、はぐくみ基金をご検討いただければと思います。