振替納税を依頼する場合の手続き

 個人確定申告の納税方法には金融機関や税務署での窓口納付のほか、クレジットカード納付やスマホアプリ納付、ダイレクト納付などたくさんの方法が出てきていますが、毎回納付の手続きをするのが面倒と思われる方は、自動的に所定の日に所定の口座から納税額が引落しがされる、振替納税をされている方もいらっしゃるかと思います。

 今回は振替納税についてご説明したいと思います。

1.振替納税とはどんな納税方法?

 そもそも振替納税とは、納税者名義の口座から所定の日に納税額が自動的に引落しされる納税方法で、他の納税方法とは異なり、金融機関窓口に納付書を持って行ったり、クレジットなどの納税手続きを毎回する必要がありません。

 振替納税の手続きは、最初の1度だけでいいので、毎年納税手続きが面倒と思われる方や、うっかり期限までに納税を忘れてしまいそうな方にはうってつけの納税方法です。

2.その他の振替納税のメリット

 振替納税を利用した場合の、口座引き落としされる日は、所得税は毎年4月中旬頃、消費税は毎年4月末日頃となっており、申告期限の約1か月後となります。

 納税時期が遅れるため、資金繰りに余裕ができます。
 また、クレジットカード納付のように手数料は発生しません。

3.振替納税をする際に行う手続き

 振替納税を初めて行う際は、「預金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」(以下、「依頼書」といいます)という納税者の住所・氏名、引落口座の情報などを記載した書類を提出する必要があります。

 今までは依頼書に引落口座の銀行印を押して税務署の窓口へ提出または郵送する必要がありましたが、2021年1月からオンラインでも提出できるようになりました。

 オンライン提出の場合は、e-taxにログインして新規作成を選択し、画面の案内に従って入力すれば、銀行印の押印なしで即時に依頼書を提出することができます。

 なお、たまにオンラインで代わりに依頼書を提出してほしいとお願いされることがありますが、オンラインで手続きする場合、キャッシュカードの暗証番号も入力する必要があるため、納税者本人に手続きをしていただく必要があります。

 依頼書の提出期限は、申告期限と同じとなります。よって、令和5年分の確定申告に係る納税から振替納税をしたい場合は、所得税の場合は申告期限と同じ令和6年3月15日まで、消費税は令和6年4月1日までに提出する必要があります。

4.注意点

 振替納税は所定の日に納税額が引落しされるとお伝えしましたが、引落日に残高不足となり引落ができないと、納税できずペナルティの扱いとなってしまいます。

 引落日に口座残高は足りるか、事前に確認しておきましょう。

 また、振替納税時に領収書は発行されないので、通帳履歴から納税が完了したことを確認する必要があります。

 また、タイミングによっては2重払いとなる可能性もあります。

 今回からスマホアプリ納付やクレジット納付にしたいと思われ納付されたのはいいものの、振替納税をやめる手続きをせず、タイミングによっては口座引落日にも引落しがされてしまう場合があります。
 もちろん2重払いの税金は返してもらえますが。

 申告期限までに他の方法で納税した場合、確実に振替納税がされないわけではないため、申告期限までに振替納税の取りやめの手続きをしましょう。

 今回は振替納税についてお伝えさせていただきました。
 ご自身に最適な納税方法を把握し、納税をなさってください。

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