監事へ御礼として支給した金銭は経費計上できる?

 私は医療法人を経営しています。
 友人の歯科医師の先生に監事となっていただいていますが、役員報酬は特に支給していません。

 毎年監査をして監査報告書に押印を頂いているので、御礼として事業報告書等の提出完了後に数万円の金銭を渡したいと考えています。この金銭の支給は、医療法人の損金となりますか?

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  結論から言いますと、当該金銭の交付は損金算入可能で事前に届出書の提出も必要ありません。

 その内容を順をおって説明させていただきます。

 役員や従業員に御礼として金銭を渡した場合は、給与扱いとなります。
 医療法人の監事は役員ですので、監事への金銭の支給は役員報酬です。

 当該事例では、毎月役員報酬を支給するのではなく、不定期に金銭を渡すとのことなので、役員賞与となります。

 役員賞与に該当する場合、事前に税務署に役員賞与の支払時期と支払金額を届け出て、届け出した内容の通り役員賞与を支給しなければ、税金の計算上、経費として認められません。

 しかし、役員賞与の届出書を事前に提出しなくてもよい場合があります。

 それは、同族会社に該当しない法人が定期給与を支給しない役員に対して支給する給与で金銭によるものを支給する場合です。

 同族会社とは何か、という説明は割愛させていただきますが、医療法人は同族会社に該当することはありません。

 よって、同族会社でない医療法人が定期的に給与を支給していない監事に支給する金銭は、事前に税務署に届出をしなくても、損金算入することができます。

 ただし、源泉徴収は必要となります。
 事前に届出書を提出する必要がない場合は、賞与扱いではなく、通常の給与と同じ方法で源泉徴収額を計算しますので、ご注意ください。

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