個人成りってどういうこと?
コロナの影響や歯科医の引退を見据えて、医療法人の事業を縮小している先生もおられるかと思います。
このような場合にご提案させていいただくものの1つに、医療法人から個人経営に変えていく、個人成りがあります。今回は医療法人の個人成りについて、お届けしたいと思います。
個人成りの主なメリットとは?
個人成りのメリットは、言い換えれば医療法人のデメリットになります。現在医療法人を経営しているデメリットを、個人成りをすることにより解消できることになります。
①資金を自由に使える
医療法人であれば、預貯金などの財産はあくまでも法人のものなので、たとえ院長であっても資金を自由に使えません。個人成りすることにより、資金を自由に使えるようになります。
②事務手続きが楽になる
医療法人であれば、毎年都道府県に事業報告書等を提出したり、資産総額の変更や役員重任などの登記手続きをする必要がありますが、個人成りするといずれも必要なくなるので、事務手続きが軽減されます。また、社員総会や理事会などの議事録の作成も必要なくなります。
③社会保険の加入が必要なくなる可能性がある
医療法人の場合は、スタッフ数に関わらず、社会保険に強制的に加入しなければなりませんが、個人成りをして、常勤のスタッフ数が5名未満であれば、社会保険に加入する必要はなく、スタッフの社会保険料の負担がなくなる可能性があります。
④経費の負担が軽減される
個人成りになると、顧問税理士の報酬が下がるケースが多いです。また事業報告書等を行政書士に依頼していた場合は、行政書士報酬はかかりません。また資産総額の変更や役員重任などの登記手続きを司法書士に依頼されていた場合は、司法書士報酬もかからなくなります。
⑤税金負担が軽減される
医療法人の場合は、赤字が出たとしても法人住民税の均等割(だいたい7万円)が発生しますが、個人成りした場合はかかりません。
また、個人成りした場合は、インボイスの兼ね合いや自費診療収入の金額にもよりますが、基本的に2年間は消費税を納める必要がありません。
個人成りのデメリットもある?
メリットをみて、個人成りを検討してもいいのではないかと思った方もいるかもしれません。しかし個人成りにあたって、メリットがあればデメリットもあります。
デメリットについては、次回のブログで記載させていただきます。