納税はクレジットカードを利用したほうがいい?

 納税をする際は、納付書に納税額を記載して金融機関の窓口に行って納付されている方がまだまだ多いかと思います。

 現在は金融機関に行かなくても納税できる方法があります。

 ダイレクト納付、インターネットバンキング、クレジットカード納付などの納税方法がありますが、今回はクレジットカード納付にピックアップし、メリット・デメリットついてお伝えさせていただきます。

 クレジットカード納付は今までもできたのですが、医療法人などの法人が都道府県に支払う法人事業税や、市町村に支払う法人市民税などについては、対応している自治体が限られていました。

 それが令和5年の4月から、各自治体でクレジットカードでの納付が可能となりました。

クレジットカード納付のメリット

① 実際の支払いを遅らせることができる

 クレジットカード納付を利用すると、支払のタイミングを遅らせることができます。納付期限までにクレジットカード納付の手続きをすれば、実際の支払いは、納付期限を過ぎたクレジットカードの引落日でもいいのです。

②ポイントが貯まる

 クレジットカードを使用することで、各クレジット会社のポイントがつきます。クレジット会社のポイント還元率に よっては、結構な金額のポイントが貯まります。

③事務手続きを簡略化できる

 クレジットカード納付は手続きが簡便で、オンラインで簡単に行えます。
インターネットバンキングの登録や、税務署への届出書の提出など事前の準備は必要なく、クレジットカードさえあれば、納付しようと思った時にすぐに納付することができます。

また、金融機関に行く必要もないので、納付までの時間を短縮することができます。

クレジットカード納付のデメリット

①手数料が発生する

 クレジットカード納付をする場合、法人税や所得税などの国税納付時には、納付税額に応じた決済手数料がかかり、手数料率は約0.84%です。

 法人事業税などの地方税にも納付額に応じたシステム利用料がかかり、その手数料率は0.8%前後です。

 いずれも、クレジットのポイント還元率が1%を超えるようなカードであれば、基本的には手数料を支払っても得になります。

 しかし例えば、旅行系カードとして人気があるマリオットボンヴォイアメックスは、納税でポイントを得られるのは年間300万円(令和6年1月1日以降)までで、それを超える納税はポイント還元されません。

 クレジットカード納付前に手数料のシミュレーションとクレジットカードのポイント還元額を試算し、クレジットカード納付が得になるのかをご確認いただければと思います。

②領収書が発行されない

 クレジットカードでの納付は領収書が発行されません。納税をしたことを証明するためには、納税証明書というものを発行してもらうことになりますが、発行されるまでに相当の時間・手間がかかり、手数料もかかってきます。

 またインボイス制度開始後は、手数料にかかる消費税を消費税の計算をするうえで差し引くためには、クレジットカード納付手続き完了後のネットページを保存しておかなければならず、少し事務手間がかかります。


③納税利用限度額がある 

 クレジットカード納付の利用可能額は、1,000万円未満かつカードの利用限度額までです。

 納税額が多い方は、カードの上限額を引きあげる手続きをしたり、複数回にわたり納税手続きをしていただく必要があります。

 クレジットカード納付は、②③のデメリットを気にされない方で、ご利用カードのポイント還元率が高く、時間を気にせず納付をされたいような方には、おすすめの納税方法かと思います。

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