出張に伴う日当手当支給のすすめ

 院長先生のなかには、講演をされたり、セミナーを受講するために、日帰り出張や宿泊を伴う出張を行う先生もいらっしゃるかと思います。

 そのような先生は、出張旅費規程を整備し、交通費や宿泊代の支給のほか、日当手当の支給を検討されてみてはいかがでしょうか。

 この記事では、出張旅費を最適に活用し、節税をする方法について説明します。

 事業に関する出張をされる際に、交通費や宿泊を伴う場合の宿泊代は経費計上することができます。

 それとは別に出張に伴い、飲食や雑費などの負担が発生するかと思います。これらの支払いに充てるため、定額の日当を支給することができ、支給した日当も経費となります。

 ただし、個人事業主としてクリニックをされている先生が、自身に支給した日当は経費計上することができません。
 個人事業主の場合は、スタッフや事業専従者に支給したもののみが経費計上できるので、注意が必要です。

 なお、医療法人の場合は、スタッフのほか院長先生などの役員も含めて日当を支給し、経費計上することができます。

 日当を含む出張費用を経費計上するためには、出張が診療業務に直接関連し、かつ業務を遂行するために必要であることが大前提です。

 プライベートの旅行は経費計上できないことはもちろん、業務とプライベートの部分が混ざっている場合は、業務を行った日数を当該出張の日数で按分するなどして計算した部分のみ、経費計上することになります。

 プライベートでの旅行と思われないように、出張報告書の作成や出張の目的を文書化し、参加したセミナー資料などの出張の証拠書類を保管しておきましょう。

 また、日当として認められるためには、出張旅費規程が整備され、その規程に記載された内容の通り支給する必要があります。

 なお、院長先生や他の役員のみだけが、規程を運用して日当を支給するのではだめで、働く全スタッフにも規程が適用される必要があります。

 また、規程を整備しその通りに支給されていれば、日当支給額はいくらでもいいというわけではありません。

 いくらが妥当な金額かというのは明確化されているわけではなく、基本的には常識の範囲内ということになります。無難にいくのであれば、院長先生で宿泊日当が1日5,000円~10,000円くらいかと思います。

 出張に伴い支給する交通費・宿泊代・日当はいずれも非課税で、出張を行った個人に対して課税されることはありません。

 課税されない理由は、出張した個人が支払った交通費・宿泊代、雑費などの実費を単に補填しているだけであるためです。

 非課税であるので、個人で所得税は課されません。また日当支給により、社会保険料の負担も増えません。

 よって、たとえば院長先生の役員報酬を下げて、その分を日当支給に充てれば、所得税も社会保険料の負担も減らすことができるのです。

 もし、事業を行ううえで出張をされることがあれば、日当の活用を検討されることをおすすめします。

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