個人で歯科クリニックを営んでいます。大学歯学部の同窓会があり、その会費を支払いましたが、歯科業界の情報収集や同僚の歯科医師から患者の紹介を受けることもあり、事業に必要な経費なので、経費計上して問題ないでしょうか?
歯学部の同窓会の会費と聞くと、たしかに事業に必要な経費といえそうですよね。しかし、過去の裁決で同窓会費は経費にならないと言われたので、これを覆して経費にすることは厳しいかと思います。
過去の裁決では、同窓会の会則などから、同窓会は歯科クリニックの業務に直接関係する活動だけを行っているわけではないので、その会費は業務に直接必要な経費とは認められないとされました。
あくまでも、同窓会は同窓生としての私的な立場で入会しているものと認めるのが相当であるとされたのです。
個人の場合は、事業を行ううえで、明らかに必要なものしか経費計上することができません。事業とプライベートの両方の側面を持っているものは、事業を行ううえで必要な部分を客観的に明確に区分する必要があります。
同窓会費は事業を行ううえで、必要な部分を客観的に明確に区分できないため、全額が経費と認められませんでした。
個人で経費計上する際は、私的な要素は全く含まれていないのか、私的要素が含まれているのであれば、事業に必要な部分を明確に区分できるのかを確認したうえで、経費計上を行う必要があります。