私は昨年に個人クリニックを開業しました。業務に手一杯で節税に気が回らず、節税対策は何もしていません。最近新たにスタッフを採用し、常時働いてくれるスタッフが6人となりました。
何も節税対策はされていないとのことでしたが、一定の所得があるのであれば、個人事業主の先生の節税対策に有効な小規模企業共済の加入を検討するべきでした。
歯科医院の場合、常時働くスタッフの人数が6人を超えると、小規模企業共済の加入資格を失います。
小規模企業共済は個人事業主などの退職金制度で、事業の廃業時などに、今まで積み立てた金額の給付をうけることができます。
掛金は月額1,000円から70,000円まで自由に設定することができ、全額が支払った年の所得控除の対象となり節税をすることができます。
また、給付を受けた場合は、優遇された方法で税金を計算することができます。
しかし、掛金を支払い始めてから6か月未満に廃業した場合や、支払い始めてから12か月未満に医療法人化をした場合には、全く給付を受けることはできません。
また、掛金を支払い始めてから20年未満に任意解約した場合には、掛金を下回る金額の給付しか受けることができません。
このようなリスクはありますが、個人の節税対策には有効なので、加入されている先生は非常に多いです。
しかし、小規模企業共済には加入資格があり、歯科医院の場合は、常時使用する従業員の数が5人以下でないと、加入することはできません。
後から小規模企業共済に加入すればよかったと後悔しないよう、スタッフの人数が増える前に、小規模企業共済の加入を検討する必要があります。