父親から承継をした医療法人を経営しています。承継したばかりで、手伝ってもらうことも多いため父親に給与を支給していました。父親は65歳となり年金の受給が始まりましたが、月額50万円の給与を支給していたことにより、年金の支給額が大幅に減額されてしまいました。
厚生年金に加入して給与をもらっている方(医療法人で働く70歳以上の方も含む)が、年金を受給する場合は、給与の収入金額に応じて年金受給額が減ったり、支給されなくなったりします。
なお、年金の減額は厚生年金のみが対象で、基礎年金は対象とはならないので、万が一、給与が高額で厚生年金の全額が支給されなくなったとしても、基礎年金はもらえます。
収入制限は、月給と直近1年の賞与を12で割った金額と、月額厚生年金の金額の合計額がいくらであるかで判断します。
この金額が48万円(令和5年度の場合)を超えると、超える金額に応じて年金額が減少し、最終的には厚生年金部分の受給がなくなります。
例えば、給与が賞与なしの月給50万円で、月額の厚生年金が10万円であった場合は、毎月6万円も年金が減らされてしまいます。
給与の支給額は、その人の働き状況に見合った金額を支給することが大前提ですが、65歳以上のご両親などへの給与支給額設定時には、年金の収入制限も判断材料の1つとして考えてみるのもいいかと思います。
