医療法人の決算期を変更できるの?

Q. 医療法人を設立するにあたって、2年目の消費税の納税が発生しないように、4月1日に法人設立し、9月末を決算期とするように設定しました。

 見込みよりも収入が伸びず、法人設立日から6か月間の自由診療収入が1,000万円以下となったので、1年目の決算を3月末としたいのですが、変更することは可能でしょうか?

A. 変更のタイミングによっては、決算期を変更することは可能です。

 以前に記載したコラムで、法人設立日から6か月間の課税売上高及び給与支払額のいずれかが1,000万円以下、または医療法人設立初年度が7月以下であれば、原則として設立2年目は消費税の申告は必要はないことをお伝えしました。

医療法人設立2年目。消費税が発生するケースと発生しないケースの違いと理由とは?

 当該ご質問は、決算期を変更したとしても、2年目に消費税の申告をする必要はなく、消費税の申告をしなくてもよい期間をできるだけ長くとりたいため、決算期を変更したいということだと思います。

 株式会社など一般の会社であれば、事業年度を定款に定めている場合、株主総会で定款を変更をする旨の決議を行い承認され、税務署に決算期を変更をした旨の届出書を提出すれば、事業年度変更の手続きは完了します。

 なので、決算期の変更にあまり時間を要しません。

 しかし、医療法人の場合は、社員総会等で定款を変更をする旨の決議を行い、承認されたら、都道府県へ定款変更の認可申請をする必要があります。

 この認可がおりてから、税務署へ決算期を変更をした旨の届出書を提出することにより、事業年度変更の手続きは完了します。

 都道府県の認可がおりるまでに、およそ2か月の期間を要します。

 なので、例えば決算期を変更しようとしようと思ったのが、10月末であった場合、そこから都道府県へ認可の申請をしても、本来の決算申告期限である11月末を過ぎてしまいます。

 よって、医療法人で決算期を変更を検討する際は、早めに手続きをする必要がありますので注意が必要です。

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